Papa told me電子書籍

一般的な少女マンガのような、 かわいい女の子が主人公のお話という枠を越え、お父さんと娘の父子家庭の悲哀や喜び、お父さんの妹が直面する独身キャリア女性の葛藤やささやかな喜びな ど、大人が読んでも感動できる物語です。まずは、娘の智世（ちせ）ちゃんの視線で語られる、ファンタジー、お父さんへの絶対的な愛、父子家庭であるために 生まれる軋轢と健気に戦う姿が、新鮮な感動を生みます。小説家のお父さんは、執筆と子育てを両立させる今時のお父さんですが、時に怒りを爆発させたり、娘 に振り回されたり、娘のファンタジーを後ろからソッと支えたりします。お父さんの妹は、キャリアを重ねる中で社会と戦い、自分の価値観に合う幸せを探して いきます。その他の登場人物も、とても魅力的です。アリスカフェというカフェ＆雑貨店を経営する謎の双子美人姉妹、お父さんと仕事をする出版社の編集の女 性、現役を引退し「元区長さん」と呼ばれているおじいさんなど。このマンガには、とても素敵な言葉がちりばめられています。「ジャムの選択の悩みなんて、 世の中のいろんな悩みの中で一番ラブりーなやつかも」。「大声を張り上げたり苛立ったりするのは、微かに歌い始めたもう一つの声を、かき消したいためじゃ ないかしら」「人と同じじゃつまらない。人と違うのは疲れる。かんじんなのはオリジナリティ」。こんな言葉をマンガで読むことは、なかなかないでしょう。